トムソンベッドで骨盤矯正をする治療院が増加
骨盤矯正の施術に、トムソンベッドを取り入れる治療院が増えています。
「骨盤に負担がかかります〜」というCMなども放映されていて、施術内容を知らなくても耳馴染みのある言葉かもしれません。
また、治療院での自費施術メニューとして「骨盤矯正」は、いまや最もポピュラーなものと言っても過言ではないでしょう。
こちらの記事では、骨盤の知識と、骨盤矯正とトムソンベッド・骨盤ベルトの関係についてご紹介し、より適切な治療・施術が受けられるよう解説していきたいと思います。
骨盤(こつばん)とは?
普段、骨盤と呼ばれている部位は「寛骨」と「仙骨」と「尾骨」のことを指しています。
また「寛骨」とは、腸骨と恥骨と坐骨が癒合したものになります。
そして下図の(※1)に見るように、骨盤の仙骨と腸骨の関節は「仙腸関節」と呼ばれています。

中央の仙骨を挟むように腸骨が付いており、結合部の背中側を「仙腸関節」、おなか側は「恥骨結合」と呼びます。(上図)
骨盤で問題になるのはどの部分が多いのでしょうか?答えは仙腸関節です。
骨盤トラブルの元になりやすい仙腸関節
仙腸関節はこれまで不動の関節といわれてきましたが、今は数ミリ程度の可動域があることがわかっています。
もちろん通常動くことはないのですが、股関節やそのほかの関節の動きが悪くなることで、代償的に動いてしまうことがあります。
仙骨と腸骨はじん帯で結合しているのですが、動きすぎるとねん挫のようにじん帯が伸びる、あるいは部分断裂などを起こして痛みが出ることがあります。
これを仙腸関節可動性亢進(ハイパーモビリティ)と呼びます。
トムソンベッドなどのドロップベッドを含め、カイロプラクティックのテクニックは「動かない関節の機能的なロックを解除する」ことが目的であり、「動きすぎた関節を動かなくする」ことは残念ながらできません。
腰痛の原因を見分ける検査が必要
ニュージーランドのPTであるDr.Mark Laslett氏は、仙腸関節に起因する腰痛を見分ける検査方法についての研究を発表しています。
5つの検査ステップで陽性・陰性をスコアリングし、陽性が3つ以上の場合、実際に仙腸関節にブロック注射をして痛みが軽減するかどうかを確かめています。
仙腸関節起因の腰痛 – 鑑別方法 –

上記ソース論文そのままではありませんが、Dr.Mark Laslett氏の「仙腸関節起因の腰痛 – 鑑別方法 – 」を日本語訳した資料はこちらからダウンロードしていただけます。
この検査法を行うことで、骨盤の問題かそれ以外の問題かを特定することができます。
ただし、検査によって仙腸関節の問題を判断できても、動きすぎか、あるいは動かないことが原因なのかという問題は、それとは別に動的触診ができなければ分かりません。
骨盤矯正にとって必需品の骨盤ベルト
動的触診ができないのであれば、動きすぎかどうかを判別するために骨盤ベルトを巻く「ベルト検査」を行うことで痛みが低減するかどうか?を指標にするとよいかもしれません。
弊社でも、セローラ骨盤ベルトやECPBベルトなど種々の製品を扱っていますが、固定力や痛みのステージに合わせて使い分けることで高い効果を発揮します。
特にセローラ骨盤ベルトは腰部の動きを制限しすぎず、耐久性にも優れているため、フィッティングを何回行ってもほつれたりしないのでとても重宝します。
基本的に、動きすぎ状態にある仙腸関節はベルトによる固定をするか、筋トレによって臀部の筋力をつけてカバーする以外に方法はありません。
ですので骨盤矯正をする場合には、手軽に扱える骨盤ベルトが必需品だと言っても過言ではないでしょう。
逆に、仙腸関節が動かないことで(ハイポモビリティ)痛みが出る場合は、可動性を付けることが必要になるためトムソンベッドなどによる施術が有効な選択肢になります。
まとめ
以上のように、骨盤に起因する腰痛の解消には、仙腸関節を「動かす・動かさない」という2種類の対処方法が存在します。
施術を受けたり行なったりする前に、こうした検査を組み合わせることでさらに治療効果を高めることが可能ですので、ぜひご参考になさってください。
骨盤矯正に効果的なトムソンベッドや骨盤ベルトのご用命に関するお問い合わせなどがございましたら、こちらの「問い合わせる」ボタンから気軽にお尋ねください。