トムソンベッドの使い方

ハイロータイプのトムソンベッド

トムソンベッドの使い方

トムソンテクニックを用いた施術を行うベッドには、必ず必要な機能があります。

トムソンテクニックに必須の機能について今からわかりやすく解説してまいりますので、

この記事を読んだ後はきっとトムソンベッドの原理を理解して語れるようになっているはずです!

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ハイロー機能(起立機能)

ハイロータイプのトムソンベッド
トムソンベッドといえば、ハイロー(昇降機能)

いちばん特徴的で検査に欠かせない機能がこちらです。

ベッドが斜めに起き上がったり倒れたりする動作ができます。患者さんは、上図のように立ち上がったベッドの前に腹ばい状態になるよう立ちます。施術者の操作でベッドがゆっくり患者さんの前方に倒され、水平になったところで施術態勢が整います。

通常の施術では来院時に身体の歪みを立位、座位で観察しその後ベッドで伏臥位になります。

ところがトムソンベッドでは、ハイロー(ベッドの起立機能)を使用して立位で歪みを観察し、そのままベッドを倒せるので立位での歪みのまま伏臥位にすることが可能になります。

そのため、患者さんの身体の歪みをすぐに観察でき、スピーディーな施術になります。

ハイローしないベッドで伏臥位になると患者さんは寝やすいように横になり歪みが補正されたり衣服の抵抗で歪みが変わったりと正しい結果が得られない場合がよくあります。

それに比べて、ハイローは常に一定した観察ができ再現性も高く安定した施術効果が得られやすくなります。

身長調節機能

身長調整機能の画像
トムソンベッドに不可欠な身長調整機能

この機能は様々な患者さんの身長に、クッションの位置を合わせる機能になります。

トムソンベッドはクッションが部位ごとに5分割されています。

頭部

胸部

腰部

骨盤部

足首部

と分かれており、それぞれのクッションを調整することで小柄な方から長身の方まで、同じベッドで施術が行えます。

患者さんの各部位にクッションピースを正しくセットするための大変重要な機能です。また、腰部と骨盤部の間隙は任意で調整できますがトムソンではその間隙は指2本分くらいとされています。

トムソンベッドの身長調整機能の画像2
様々な体格の患者さんに合わせてサイズを調節します。

身長調節の機構はメーカーにより異なりエアーを使った手動式や、指一本で操作できる電動式があります。身長調節は患者さん一人ひとりに行うため術者の負担が大きくなりますのでなるべく操作が簡単で楽なものが理想です。

ドロップ機能

ドロップ機能の画像

何が無くてもこれだけは無いとトムソンテクニックは成立しません。ドロップするクッションはサービカル(頭部C)、ドーサル(背部D)、ランバー(腰部L)、ペルビック(骨盤部P)の4か所です。

セレクターノブの画像
サービカル(頭部C)、ドーサル(背部D)、ランバー(腰部L)、ペルビック(骨盤部P)

クッションが”ポコッ”と約1.3cm天井方向に持ち上げり手で床方向へ押すと“バァン” と落下(沈む)する機能です。この落ちる加速度を利用して変位した椎骨を矯正します。

マニュアルアジャストの矯正は1秒にも満たない速さで素早く行われますがこの速さは熟練した術者でも難しく習得に時間がかかり日々の反復練習も必要となります。

ドロップはそのスピードと矯正幅(深さ)を機械に補ってもらうことで術者の経験の差などを均一化でき安定した矯正効果を得ることができます。

クッションを矯正位置にセットする方法は手動式と自動式があり手動はハンドルレバーを術者が操作しクッションを持ち上げセットします。自動はスイッチを足で踏むことで機械が自動でセットしてくれます。

手動のクッションレバー画像
手動操作用のハンドルレバー

手動は矯正するコンタクトハンドを患者さんの身体から一旦離し操作しなければなりませんがコスト面で優れています。一方自動はコンタクトハンドから手を放さずそのまま連続した矯正が可能となり矯正効果や施術時間の短縮など術者の負担を大幅に軽減します。

自動式のクッション操作テープスイッチ画像
「テープスイッチ」手動式では不可能な施術スピードを可能にします。

矯正する患者さんが増えるにつれドロップの回数が多くなり手動では施術者の負担が大きくなるので自動式をお勧めします。

ドロップ機構は、メーカーによりエアー方式でエアーコンプレッサー等の外部装置が必要タイプや、油圧式で外部装置が必要ないコンパクトタイプ(ロイドテーブル、エサキ)があります。

テンション調節

テンション調整スイッチの画像
患者さんにあわせてドロップのテンションを調整します

患者さんの体格に適した無理のかからない矯正強度になるようクッションの落下の負荷を調節する機能です。

調節の方法はメーカーにより多少調整幅に誤差はありますがおおよそ伏臥位の状態でクッションを持ち上げ上がった位置を十分保持できるまでテンションを強めます。

その状態から少しずつテンションを緩めていきクッションが”バァン”と落下したところからテンションを3/4回転締め込みます。その位置がその患者さんに一番適した矯正強度となります。メーカーによって各クッションにテンションが装備されているものや胸腰部2つのクションを1つのテンションで負荷のバランスを変化させるだけのものがあります。トムソンテクニックではどちらのタイプでも構いません。

いかがでしたでしょうか?

以上が、トムソンテクニックを施すにあたって必要となる機能なのです。項目としては、下のようになります。

  • ハイロー機能(起立機能)
  • 身長調節機能
  • ドロップ機能
  • テンション調節

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Dr.ウェイン・ヘンリー・ズィメルカは、トムソンテクニックの開発者であるクレイ・トムソンD.C.に師事。 トムソンD.C.の死後トムソンテクニックの第一人者として全米でセミナーを行ってきました。2013年11死去。
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この記事を書いた人:植田 好成
江崎器械株式会社の営業部長と技術部長を勤めています。 もともとカイロプラクターとして働いていた経験が有り、トムソンベッドを分解して一から組み立てられる知識は社内随一。施術者とエンジニア双方の目線から、初心者にもわかりやすくトムソンベッドを解説していきます!

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