誰も教えない!賢いトムソンベッド活用術

トムソンテクニック以外のトムソンベッド活用法の画像

トムソンベッドは賢く活用すると、患者・施術者の双方にとって大きなメリットをもたらしてくれる優れモノです。ですが、こういった便利機能はなかなか他人には教えたがらない部分ですよね。

こちらの記事では、トムソンベッドの賢い活用術をじっくりと解説していきます!すこし専門的な内容になりますが、ぜひベッドを操りながら記事を読んでみてください。

ハイロー機能(起立機能)

ハイロー機能の画像
トムソンベッドの必須機能ハイロー(起立機能)
  1. 極度に痛みを抱えて来院される方は、平ベッドに横になったり体位を変えたりすることがとても苦痛です。ハイロー機能を活用してベッドへの寝起きをサポートすることで患者さんの負担は極端に軽減します。
  2. 施術後に痛みが緩和しても、起き上がり動作で痛みが再発することがあると思います。ハイローを間欠的にゆっくり起こし、少しずつ重力をかけることで痛みの緩和に役立ちます。
  3. 施術中に体位を伏臥位から仰臥位に変えるときは、ハイローを使用することで身体の捻じれによる歪みを最小限にできます。これは患者さんへの負担を和らげることはもちろん、施術者の負担軽減や時短・効率化にもつながります。

身長調節機能

身長調整機能の画像
患者様の体格差を、一台のベッドでカバーする調節機能
  1. 妊婦さんを伏臥位にするのは大変ですが、腰部と骨盤部の隙間を大きく開け胸腰部角度調節を併用すればお腹にかかる圧迫を軽減した状態で施術が可能です。
  2. 極端に背の高い方など各クッションに身体が微妙に合わない時があります。その時は腰部と骨盤部の隙間を調整し体型に合わせることができます。

トムソンベッドの身長調整機能は、患者様の体格だけでなく、妊娠期などの状態にも対応することができます。

ドロップ機能

ドロップ機能の画像
トムソンベッドに備わっているドロップ機能
  1. 頭部ドロップに、落下する方向が2方向備わっているモデルがあります。トムソンテクニックでは通常は前方45°方向へのドロップを使用しますが、もう一方向は直下(首元が床方向に落下する)です。頭部が床に対し平行に上下動する機能を併用して、ターグルリコイルテクニックができます。
  2. 他のテクニック等で矯正したい椎骨を断定し、マニュアルアジャストではなくドロップで矯正することもできます。
  3. 刺激を与えたい部位に通常のテンション強度より弱い強度でセットし、複数回ドロップを使用することでトムソンテクニックの矯正とは違う施術方法としても使用できます。
  4. 各クッションピースをポータブルドロップとして使い四肢関節の矯正もでき施術の幅が広がります。

頭部屈曲機能

ステーショナリータイプのトムソンベッド画像
頭部・顔面を支えるヘッドピース部分の屈曲機能
  1. 伏臥位で屈曲機能を少し床方向へ傾けることで、頚椎の過伸展を防ぐことができます。又、触診もしやすく安定した施術が可能です。
  2. 仰臥位で頚椎をマニュアルアジャストする際に、屈曲機能を天井方向へ傾けることでアジャスト角度を保持できるため、施術者の負担軽減になります。
  3. 側臥位で腰椎や骨盤などマニュアルアジャストする際に、天井方向へ傾けることで患者さんの頭部が安定し施術しやすくなります。
  4. 仰臥位で天井方向へ傾け枕として使用できます。

頭部エレベーション機能

エレベーションタイプのトムソンベッド
頭部のエレベーション機能
  1. 側臥位で頭部エレベーション機能(床に対して水平に上下動する)と直下ドロップを併用することでターグルリコイルテクニックができます。
  2. 側臥位で腰椎や骨盤などマニュアルアジャストする際に上下動と屈曲機能を活用することで患者さんの頭部が安定し施術しやすくなります。
  3. 伏臥位で横になる際に体型により顔と胸部に高低差がある場合は上下動で顔の位置を高さ調節することで患者さんの負担が軽減します。
  4. 仰臥位で上下動と屈曲機能を調節して枕として使用できます。
  5. 伏臥位で頚椎をドロップで矯正する際に上下動と屈曲機能を活用し矯正したい椎骨に力が集中するように(テンションを集める)合わせより効率的に矯正する事ができます。
  6. トムソンテクニックの膝矯正では左右のヘッドクッションに膝を挟み込みドロップで頭部(C)を使用して矯正します。

胸腰部・骨盤部角度調節機能

フレクションタイプのトムソンベッド画像
クッション角度の調節機能
  1. ドロップで矯正する際、胸腰部クッション・骨盤部クッション角度調節機能を使い患者さんの身体にフィットするようにクッション角度を調節します。身体とクッションに隙間ができるとドロップが落ちなかったり、落ちやすくなったりと矯正強度が安定せず患者さんに負担を与えてしまいます。クッションの角度を調整することでドロップも安定し最適な強度で刺激の少ない矯正が可能です。
  2. 患者さんで腹囲の大きな方は、胸腰部クッションを水平から床方向へ傾けます。平らなベッドで伏臥位になると体位が安定せず、施術者は検査が困難になり、正しい結果得られない場合があります。しかし、この機能を使用することで患者さんが安定し、施術者の負担の少ないスムーズな施術が行えます。
  3. 患者さんが伏臥位の状態で、胸腰部クッションと骨盤部クッションの角度調節を水平から天井方向へ傾けます。(ベッドを横から見て山なりになる状態)足首のクッションも上げれば抗重力姿位がとれ、筋肉が緩みリラックスした状態をつくれます。その状態から施術を行うこともできます。
  4. 患者さんが伏臥位の時、胸腰部クッションと骨盤部クッションの角度調節を水平から天井方向へ傾け腰仙関節を開くような状態を作りそのまま保持ができます。その状態から施術を行うこともできます。

アンクルレスト高さ調節

脚部の高さ調節機能
  1. 患者さんが伏臥位になり、膝が過伸展して痛みを感じる場合や、下腿後面が緊張している場合には、痛みや緊張が緩和する高さまで脚部クッションを天井方向へ上げることで和らげることができます。
  2. オプションでアンクルレストクッションにドロップ機能を付けることができる機種は足関節の施術も伏臥位、仰臥位のまま施術ができ大変重宝します。

いかがでしょうか?

トムソンベッドに備わっている機能は、トムソンテクニック以外にも大変重宝する施術器具と言えます。その他、トムソンベッドに関するお問合せは下のフォームからどうぞ。

この記事を書いた人:植田 好成
江崎器械株式会社の営業部長と技術部長を勤めています。 もともとカイロプラクターとして働いていた経験が有り、トムソンベッドを分解して一から組み立てられる知識は社内随一。施術者とエンジニア双方の目線から、初心者にもわかりやすくトムソンベッドを解説していきます!

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